健康医療のまゆたま

肛門科

肛門という部位の名前から羞恥心が先立ち、なかなか診察へと踏み出せない肛門科。しかし、そこは日本人の多くが患う痔を始め、肛門及びその周囲の病気を専門に扱うおしりのプロフェッショナルと言えます。

肛門科の診療内容は、イボ痔、切痔、あな痔といった成人3人に1人が悩まされる非常に身近な病気が主で、これは肛門の奥にある血管が圧迫されることにより血液の流れが阻害されて発生する誰にでも起こり得る病気です。男女比も同じで赤ちゃんでも患う病気です。他にも肛門のかゆみやしこり等も肛門科の診療内容となります。

しかし、恥ずかしさから診察を受けず自分で市販の薬を使って余計に悪化させてしまう人も多く、痔だと思っていたら実は癌だったということもあり、隠れた大病の発見の場となることもあります。その為、おしりに異常を感じたら自分で判断せず、まず肛門科での診察を受ける事が大切です。

肛門科は外科にあたり、治療には薬物療法で便通を良くすることにより症状を改善させたり、イボ痔に対しては直接薬を注射することによりイボを小さくするという治療方法があります。手術は軽い痔であるなら日帰り手術が可能で15分から20分くらいという短時間で終わります。自宅での安静は必要になりますが比較的早めに普段の生活に戻れます。

症状:痔ろう

痔ろうは別名「あな痔」とも呼ばれます。肛門周辺にできた膿瘍が破れ、中の膿が排出された後に穴だけが残り、直腸と肛門の間にトンネルが形成されたものを指します。

痔ろうの初期症状として、肛門周囲膿瘍が形成され、肛門周辺に強い痛みを感じます。また、発熱を伴う場合もあります。この膿瘍が自然に破れるか、切開するなどして中の膿を排出すると痛みは軽快します。しかし、膿の溜まっていた穴は残り続けるため、排便のたびに細菌が入り、再び化膿し再発する、というケースがほとんどです。
痔ろうは切れ痔やいぼ痔などと違い、投薬による治療では根治することができません。手術によって患部をふさぐのが唯一の対策となります。

手術には膿の通り道をゴム管で縛るセトン法、患部をくり抜いて縫合するくり抜き法(括約筋温存術とも呼ばれます)、患部を切開し、縫合することで肉芽が盛り上がって傷口をふさいでいく瘻管切開開放術などの方法があります。これらの治療は、患者さんの症状の程度によって適したものが選ばれます。なお、再発率に関しては、痔ろうの複雑さや深さ、術式によって、2~20パーセント程度まで差があります。最適な治療のためには専門の医院を受診し、医師とよく相談することが求められます。